今から、20年ぐらい前、TVをつけると、サラ金の華やかなTVCMが必ず流れていたものでした。それより前は、サラ金でお金を借りるというと、後ろめたさや罪悪感があったものですが、サラ金が堂々と表舞台に登場しました。つまり、サラ金でお金を借りることのハードルがグッと下がりました。
それと並行して、世の中には、借金で苦しむ人、借金苦で自殺する人、挙句には、サラ金の店舗に灯油をまいて放火する人まで出てきて、サラ金=借金問題は一挙に社会問題化しました。
そんな中、出てきたのが総量規制です。ここでは、総量規制についてご説明します。
1.ずばり、総量規制とは?
最近、スウェーデンの17歳、グレタ・トゥーンベリさんの活躍で注目を浴びている地球温暖化対策ですが、そこでも、温室効果ガスの総量規制が問題になっています。
「ずばり!」と言いながら、いきなり横道にそれてしまいましたが、つまり、総量規制というのは、「総量=全体の量」を「規制=制限する」ことを言います。温室効果ガスでも然り、借金問題でも然りです。
もう少し具体的に見てみましょう。
世の中には、星の数ほど、貸金業者が存在します。A社でも借り、B社でも借り・・を繰り返していると、借金の額はその人の返済能力を超えたものに、あっという間になります。
貸し出す方は、貸し過ぎを抑制するよう、借りる方も借金が膨れ上がることを防止するための法律の制定が急がれました。そこで、それまでも段階的に貸金業法を改正してきましたが、平成22年に改正貸金業法が完全施行されるに至りました。
具体的には、個人の借入総額を、年収などの1/3までとするという内容です。
2.総量規制が生まれた背景
前書きでも書きましたように、ある時期、TVをつけると、必ずと言っていいほど、サラ金のTVCMが流れていました。
武富士のダンスのCM覚えていませんか?アイフルのかわいいチワワにハートを射抜かれるCMもありました。「アイフル、どうする?」っていうキャッチコピーもありました。そんな風にサラ金が一世を風靡していました。
お金を借りること、サラ金を利用することのハードルがぐんと下がりました。貸金業者の方は、貸したいばっかりですから、お客の年収などにお構いなしにどんどん貸していきました。
その結果、借り過ぎによって、借金で二進も三進もいかなくなる人が後を絶たず、社会問題化しました。
そこで、徐々に貸金業法も改正されてきてはいたのですが、平成22年6月18日、改正貸金業法が施行されるに至りました。
お金を借りなければならない人にとっては、「総量規制=個人の場合、年収の1/3まで」は、足枷のように思われるかもしれませんが、これは、借りる人=あなたを守るための規制だと言えます。
3.総量規制に縛られないローンがある!
正直なところ、世の中の法律で、抜け道のない法律はありません。この改正貸金業法の総量規制にもあるのです。
非合法な抜け道というのではなく、法律で総量規制の対象外とされている貸金業者が存在します。銀行がバックにいる無担保型カードローンです。
銀行もお金を貸しているのに、なぜ貸金業法の縛りを受けないのでしょうか?銀行は、貸金業ではなく、銀行法の下で運営されているからです。実際、銀行の監督官庁である金融庁も正式に認めています。
つまり、貸金業者間では、総量規制を受けるため、複数社のトータルが、年収の1/3までに抑えられますが、銀行系の無担保型カードローンは、その枠外となりますから、借りる方としては、借金のトータルについては気をつけなければなりません。
4.借金問題で苦しまないために!
急にお金が必要になることって、誰にでもあります!例えば、給料日前なのに、親戚に不幸があって遠くまでお葬式に行かなければならなくなった時など、交通費や香典をどうしようと頭を抱えてしまいます。
そんな時、サッと借りることができるサラ金や銀行の無担保型カードローンは本当に助かります。
しかし、便利だからと言って、無計画に借金を重ねていると、どこかで破綻してしまいます。そうならないために、総量規制があるといってもいいでしょう。
改正貸金業法の完全施行や、TVCMなどの厳しい監視などで自己破産の件数は減る傾向にあったのに、2017年以降、自己破産の件数は、再び増加件数に転じています。
ここでは、いろいろな債務整理の方法について、詳しく書いてきましたが、いずれにせよ、それらを利用すると、あなたに傷がつくことも事実です。
まさに、「ご利用は計画的に!」であなたをお守りください。
※ここで給与ファンディングなどを紹介するのもありです。
まとめ
総量規制とは、直接、債務整理とは関係がないような話だったかもしれませんが、それが生まれた背景や考え方をご理解いただければ、借金への姿勢を見直していただけるかもしれません。
便利に使えるローンですが、そのために身を滅ぼしては、元も子もありません。賢く、計画的に利用することをおすすめします。