今、政府は、IR(統合型リゾート)計画を進めていて、そこにはカジノもあります。IRに反対する人の多くは、カジノによるギャンブル依存症を心配しています。
とはいえ、日本全国どこででも、パチンコもスロットもすることができますし、地方自治体が開催する競輪やオートレースなどもあり、射幸心をあおっています。
たまの息抜きとしてされる分には問題がないですが、ギャンブルにのめりこんだ挙句、ギャンブル代を貸金業者から借り受け、借金が雪だるま式に膨らんだという人の話もあちこちで聞きます。
仕事を続けていても、毎月の支払いを続けていても、借金は減るどころか増える一方、どうすればいいんだと悩んでおられる方も多いと思います。
その方たちのために、ギャンブルによる借金でも債務整理は可能かについて、ご説明しましょう。
1.ギャンブルが原因の多額の借金を債務整理したい!
こう考える方も多くおられます。その方たちの多くが、ギャンブルが原因で作った借金でも、債務整理をすることができるのだろうかという不安をお持ちのようです。
たしかに、借金を作る理由はさまざまです。「家族が病気になったため、月々の医療費を借りているうちに、借金が膨らんだ」とか、「子どもの教育費のために、無担保型カードローンを借りたまま、返済の目途が立たなくなった」などの理由なら、同情の余地はあります。
しかし、「自分勝手にギャンブルをして、ギャンブルで儲けた時は散財し、負けが込んで借金で首が回らなくなったからと言って、債務整理とは、なんて身勝手な!」という常識的な意見もあるでしょう。本人にも負い目があることでしょう。
でも、結論を言いますと、ギャンブルが原因の借金であっても、債務整理は可能です。
2.ギャンブルが原因の多額の借金でも、任意整理できる?
債務整理の主な方法には、任意整理、個人民事再生、自己破産、特定調停がありました。それぞれについて、ギャンブルが原因の多額の借金ができるかについて、順番に見ていきます。
まずは、任意整理からです。任意整理とは、裁判所を通さず、認定司法書士や弁護士が債権者と、債務者(あなた)が返済しやすいように、借金の減額や返済期間の延長などを交渉することでした。
任意整理の場合のポイントは、相手の債権者が交渉に応じるかどうかでした。借金を作った原因が問われることはありませんから、任意整理は可能です。
3.ギャンブルが原因の多額の借金でも、個人民事再生はできる?
個人民事再生のことをおさらいしましょう。任意整理が難しい場合、裁判所に間に入ってもらって、債務の減額や支払い条件の緩和を図るものでした。
裁判所が入るから、ギャンブルが原因の多額の借金では、認められないのではないかという不安がおありかもしれませんが、個人民事再生の免責の対象について、具体的な規定はないので、その借金がギャンブルが原因であっても問題はありません。つまり、個人民事再生も可能です。
4.ギャンブルが原因の多額の借金でも、自己破産はできる?
自己破産とは、いろいろなデメリットがあるとはいえ、あなたが作った借金をすべて帳消しにしてもらうという債務整理の方法でした。いろんな事情やデメリットがあるとはいえ、債務者にとっては、やっぱり都合のいい方法です。なにしろ、相手の債権者は、債務をあきらめなければならないわけです。
自己破産の場合は、任意整理や個人民事再生とは異なり、必ずしもすべてが自己破産を認められるわけではありません。認められるケースもありますが、債務額や理由などによると考えておきましょう。
5.ギャンブルが原因の多額の借金でも、特定調停できる?
特定調停は、簡易裁判所を通して、債権者と調停を行う債務整理の方法でした。自己破産ほど厳格な免責不許可の規定はありませんから、ギャンブルが原因でも、特定調停は可能です。
6.ただし、すべて免責されるわけではありません!
いずれの場合も、債務のすべてが免責対象になると考えない方がいいでしょう。やはり、ギャンブルという自分勝手な理由だからです。
ただ、そうであっても、救済の余地も残されているということは覚えておきましょう。その場合も、安易に債務整理できると考えないで、二度と同じことを繰り返さないよう、生活を改める必要があると思います。どの債務整理であっても、債権者には迷惑をかけているわけですから。
まとめ
ギャンブルが原因の借金の債務整理について、まとめました。最後に書きましたが、たとえ、高い利息を取っていたとしても、債務整理することによって、本来返済しなければならない借金を減らしたり、返済期限の延長したりするわけですから、債権者に迷惑をかけないわけじゃないです。
借金の原因が、自分勝手なギャンブルや遊興費ならなおさらです。だから、すべてが免責されるわけではないのです。
ぜひ、債務整理をすることによって、新たなあなたの人生をリスタートさせてください。